魚油(EPA・DHA)品質・表示基準
JHFC-S-002 制定:2026年9月3日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月3日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
魚油は、魚種、漁獲海域、部位及び精製工程によって脂肪酸組成と混入物質の管理点が異なる。EPA及びDHAは、遊離脂肪酸、エチルエステル、トリグリセリド等の形態で存在し、油脂量や原料量の表示だけでは実際の各成分量を判別できない。また、酸素、光及び熱に伴う酸化は、製造後も進行し得る。本基準は、由来から脂肪酸形態、分別定量、酸化管理及び汚染物質検査までを一体として示すため制定する。
第1条(目的)
本基準は、EPA又はDHAを含む魚油製品について、魚類由来の追跡、油脂の形態、成分別含量、酸化安定性、精製に応じた検査及び注意表示の妥当性を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、魚類の組織から得た油脂を原料とし、EPA又はDHAを表示するカプセル、液状油、乳化物、粉末化油脂その他の経口製品に適用する。藻類油、オキアミ油及び魚油以外の油脂だけを由来とする製品は対象外とし、混合油では魚油部分を区別して適用する。
第3条(用語の定義)
- 1. 魚油由来情報:魚種、使用部位、漁獲又は養殖の別、原料国及び油脂製造までの履歴をいう。
- 2. 脂肪酸形態:脂肪酸がトリグリセリド、エチルエステル、遊離脂肪酸、リン脂質その他の結合状態にあることをいう。
- 3. EPA・DHA分別量:EPAとDHAを別々に定量し、それぞれの質量として示した値をいう。
- 4. 酸化指標:一次酸化物、二次酸化物又は両者の状態を把握するため、事業者が油脂特性に応じて採用する試験項目をいう。
- 5. 精製履歴:脱ガム、脱酸、脱臭、濃縮その他、粗油から製品原料を得るまでの工程履歴をいう。
第4条(要求事項)
- 1. 魚油原料は、一般名又は学名で魚種を識別し、使用部位、漁獲・養殖の区分、海域又は原料国及び粗油製造地をロット単位で記録する。複数魚種をまとめる場合は対象魚種群と混合管理の方法を定め、受入資料、漁獲証明その他の供給連鎖資料及び必要に応じた種判別法で、表示した由来との対応を確認する。
- 2. 精製、濃縮、エステル交換又は再エステル化の有無を工程概要に記載し、最終原料における脂肪酸形態を特定する。天然又は濃縮等の語を用いる場合は対象となる工程と油脂画分を限定し、工程前の魚油の性質を加工後もそのまま保持するかのような表示を行わない。形態は工程記録と適切な組成分析で照合する。
- 3. EPA及びDHAはそれぞれを質量単位で、一日摂取目安量に対応させて表示する。両者の合計を併記する場合も分別量を省略せず、魚油総量、オメガ三脂肪酸総量及びEPA・DHA量を相互に置き換えない。脂肪酸そのものの量かエステル等を含む化合物量かを特定し、分析値から表示値への換算式を保持する。
- 4. 酸化管理では、原料油、充填前油及び製品の特性に応じて一次・二次酸化を評価できる指標を選び、官能だけに依存しない。窒素置換、遮光容器、抗酸化成分、充填時の空隙及び開封後の使用期間を包装仕様と関連付ける。規格値は事業者が根拠をもって設定し、製造時から賞味期限までの推移を安定性記録で確認する。
- 5. 精製履歴、魚種及び漁獲環境を踏まえ、重金属、PCB類、ダイオキシン類その他の環境由来汚染物質並びに微生物又は精製工程由来物質から検査対象を選定する。選定外とした項目も理由をリスク評価に残す。試験結果は対象ロット、検体段階、方法及び定量・検出の限界を含む成績書で確認する。
- 6. 第三者検査として示す範囲には、EPA・DHAの分別定量、酸化指標又は汚染物質のうち実際に外部機関が試験した項目を明記する。供給者が粗油を試験した事実と、販売する最終製品の確認を区別し、外部成績書、充填記録及び製品ロットの連結性を維持する。
- 7. 保存表示には、未開封時の温度、遮光及び密栓条件に加え、液状品等で開封後の酸素接触が品質に関係する場合の取扱いを記載する。魚由来原料を含むことを原材料表示と注意欄で確認可能にし、魚に対するアレルギー、医薬品の使用、手術等を予定する者への相談案内は、製品別評価と最新の公的情報に照らして設定する。異臭、漏れ又は容器異常を認めた製品を使用しない旨も示す。
第5条(評価区分)
- 適合:魚種及び供給履歴、脂肪酸形態、EPA・DHA分別量、酸化管理並びに汚染物質検査がロットごとに確認できる。
- 一部適合:成分別の定量と酸化判定は成立しているが、魚種群の資料又は開封後表示に補完すべき点があり、処置が記録されている。
- 不適合:魚油総量をEPA・DHA量として表示する、脂肪酸形態を特定できない、又は酸化若しくは由来に応じた汚染物質を評価していない。
第6条(運用)
事業者は、魚油由来台帳、精製・形態資料、脂肪酸組成表、酸化試験及び汚染物質成績書を用いて自己適合宣言を行える。本協会は申請された製品について、分別表示から漁獲原料及び油脂加工ロットまで標本確認できる。魚種、海域、精製法、脂肪酸形態、包装又は抗酸化設計の変更時には再評価する。
附則
本基準は2026年9月3日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
