コエンザイムQ10(酸化型・還元型)品質・表示基準
JHFC-S-003 制定:2026年9月3日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月3日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
コエンザイムQ10には酸化型と還元型があり、原料製造時の形態だけでなく、加工、分析及び保存中の酸化還元によって両者の比率が変わり得る。総量だけの表示では形態別の状態を読み取れず、油状基剤や包接・分散加工を含む製剤では抽出方法も定量結果に影響する。本基準は、酸化型と還元型を識別し、製造由来、形態別含量及び包装を含む安定性管理を検証可能にするため制定する。
第1条(目的)
本基準は、コエンザイムQ10を含む健康食品について、化学的同一性、酸化還元形態、製造由来、含量算定、製剤からの回収、保存中の形態変化、検査及び注意表示を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、酸化型コエンザイムQ10、還元型コエンザイムQ10又は両者を含む原料及び経口製品に適用する。油脂への溶解、乳化、粉末化、包接その他の製剤加工品を含む。側鎖長の異なる補酵素Q類をコエンザイムQ10として合算しない。
第3条(用語の定義)
- 1. 酸化型:キノン構造を有するコエンザイムQ10をいう。
- 2. 還元型:キノール構造を有するコエンザイムQ10をいう。
- 3. 形態別含量:酸化型及び還元型を分離して求めた各含量をいう。
- 4. 総CoQ10量:形態別の測定値を、算定基礎を明らかにして合計した量をいう。
- 5. 形態変換:製造、採取、前処理、分析又は保存中に酸化型と還元型の間で変化が生じることをいう。
第4条(要求事項)
- 1. 原料の同一性は、コエンザイムQ10の化学構造及び側鎖を識別できる標準物質と、分離分析並びに必要なスペクトル情報を用いて確認する。類似の補酵素Q同族体を識別し、標準物質の同一性、値付け、保管及び使用期限を試験記録に残す。
- 2. 原料について、発酵、化学合成その他の製造由来、主要な精製工程及び酸化型又は還元型として出荷するまでの形態調整工程を記録する。還元処理を行う場合は工程の位置と管理方法を、発酵由来と表示する場合は発酵が対象物質の生成工程であることを、製造フロー及び供給者資料で確認する。
- 3. 酸化型を表示する製品は酸化型量を、還元型を表示する製品は還元型量を、一日摂取目安量あたりの質量単位で示す。総CoQ10量を併記するときは合算対象と換算方法を開示し、原料投入時の形態比を最終製品の形態別実測値として扱わない。基剤、賦形剤又は被包材を含む原料製剤の重量とCoQ10量を区別する。
- 4. 形態別定量法は、試料採取から抽出、希釈及び測定までの酸素、光、温度及び処理時間を管理し、前処理中の形態変換を把握できるものとする。油脂、乳化物又は包接体からの回収性と、酸化型・還元型の分離選択性を製剤ごとに検証し、総量法だけで還元型の残存を判定しない。
- 5. 安定性試験では、表示する形態別含量と総量の双方を観察し、容器の遮光性、酸素透過、封入雰囲気、個包装の有無及び開封後の取扱いを試験条件に反映する。酸化型への移行又はその他の分解が品質判定に及ぼす扱いを事前に定め、表示値及び規格は事業者がデータに基づいて設定し、根拠を提示できるようにする。
- 6. ロット検査では、同一性、形態別含量、総量との整合及び製造経路から想定される関連物質を確認する。残留溶媒、触媒、微生物又は油脂基剤の酸化等は、採用工程と剤形を根拠に検査要否を決定する。第三者検査の表示には、形態を区別した試験か総量試験か、検体段階及び対象ロットを明記する。
- 7. 容器包装及び販売資料では「酸化型」「還元型」「総量」の語を混同せず、原材料欄、含量欄及び成績書要約で同じ形態名を用いる。保存方法は採用包装の安定性資料に対応させる。妊娠・授乳中、医薬品を使用中又は医療上の管理を受ける者への相談案内、摂取後に異常を認めた場合の中止及び連絡先は、最新の公的情報と製品別評価に従って記載する。
第5条(評価区分)
- 適合:CoQ10の同族体と酸化還元形態が識別され、形態別表示、分析時の変換管理及び保存中の推移が対応している。
- 一部適合:表示形態の定量根拠はあるが、製剤からの回収性又は開封後の形態変化に関する補足資料が不足し、是正計画がある。
- 不適合:総量のみで還元型量を標榜する、原料時の形態を最終製品へ転用する、又は分析操作による形態変換を管理していない。
第6条(運用)
事業者は、由来資料、形態別規格、分析法検証、製品ロット成績書及び安定性推移により自己適合宣言を行える。本協会は申請に基づき、表示した形態から抽出条件、クロマトグラム及び包装条件までを確認できる。原料形態、製造工程、基剤、分析法又は包装を変更したときは形態別に再審査する。
附則
本基準は2026年9月3日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
