ノコギリヤシ 品質・表示基準
JHFC-S-005 制定:2026年9月3日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月3日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
ノコギリヤシ原料は、植物名だけでなく、使用部位、採取地、乾燥状態及び抽出法によって組成が異なる。特に果実由来の脂質性抽出物では、脂肪酸及びステロールの組成、抽出溶媒の管理並びに他の油脂との識別が品質確認の中心となる。粉末果実の重量と抽出物中の指標成分量も同じではない。本基準は、植物同定から抽出物の組成、含量単位、酸化及び混和の確認までを明確にするため制定する。
第1条(目的)
本基準は、ノコギリヤシを用いる健康食品について、植物種及び部位の同一性、採取・加工由来、抽出形態、脂肪酸等の表示、安定性、真正性検査、汚染物質検査並びに注意情報を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、Serenoa repensの果実、その粉末、脂質性抽出物その他果実由来加工原料、及びこれらを配合した経口製品に適用する。他のヤシ科植物、別部位又は他種油脂をノコギリヤシ果実原料として扱わず、混合原料では各構成を区別する。
第3条(用語の定義)
- 1. 植物同一性:学名、使用部位及び植物学的特徴によりSerenoa repensの果実であることを特定した状態をいう。
- 2. 果実粉末:果実を乾燥及び粉砕し、抽出による選択的濃縮を行っていない原料をいう。
- 3. 脂質性抽出物:果実から溶媒その他の方法で得た脂溶性画分を主体とする原料をいう。
- 4. 脂肪酸組成:遊離又は結合状態を含め、抽出物を構成する脂肪酸の種類別割合を示す分析情報をいう。
- 5. 真正性評価:植物資料、化学的指紋及び組成を用い、他種植物又は外来油脂との不一致を調べることをいう。
第4条(要求事項)
- 1. 原植物は学名、使用部位、採取又は栽培地域、収穫後処理及び供給ロットを記録し、果実以外の部位が意図せず混在しない受入規格を設ける。外観・顕微鏡等の植物学的確認に加え、粉砕又は抽出で形態鑑別が困難になる段階では、適切な化学的指紋又は遺伝学的方法の適用可能性を評価する。参照標本又は対照資料の由来を保管する。
- 2. 果実粉末、単純圧搾油及び脂質性抽出物を区分し、抽出物では抽出溶媒、抽出比又は原料と抽出物の関係、精製及び溶媒除去の概要を仕様書に示す。粉末果実相当量を表示する場合は換算根拠を記録し、抽出物重量や果実投入量を脂肪酸量として扱わない。由来及び加工区分は供給者工程図で確認する。
- 3. 脂質性抽出物は、総脂肪酸、遊離脂肪酸と結合型の扱い、主要脂肪酸の組成及びステロール類等、真正性とロット一貫性を把握できる項目を選定する。規格値は事業者が真正な原料資料、製法及び分析ばらつきを基に設定し、根拠とともに公開又は照会可能にする。単一の指標だけで植物同一性を代替しない。
- 4. 含量表示は、一日摂取目安量あたりの果実粉末量又は抽出物量を明確に区別し、脂肪酸量を示す場合は質量単位及び定量対象を併記する。総脂肪酸、遊離脂肪酸、個別脂肪酸及びステロール量を相互に置き換えず、原料規格からの計算値か最終製品の実測値かを識別する。油脂性賦形剤を抽出物由来脂質へ合算しない。
- 5. 真正性評価では、脂肪酸プロファイル、ステロール組成その他の化学的指紋を複数のロットで確認し、植物種又は製法と整合しない油脂混和の兆候を調べる。最終製品に他の食用油を意図的に配合する場合は処方上の油脂とノコギリヤシ抽出物を分けて記録し、分析結果の解釈に反映する。供給者変更時は比較資料を作成する。
- 6. 安定性及び検査では、脂質の酸化状態、水分、微生物、残留農薬、重金属及び抽出溶媒を、粉末・抽出物の別と工程に応じて選定する。酸化指標は包装の遮光性、酸素接触及び開封後条件と関連付け、事業者が判定規格を定める。外部試験の公開時には、植物原料、抽出物又は最終製品のいずれを検体としたかを明らかにする。
- 7. 表示には学名又は一般名、果実使用、粉末若しくは抽出物の別、含量の対象及び保存方法を一貫して記載する。抽出溶媒に関する表示を行う場合は実際の製造工程と残留試験に対応させる。植物原料又は配合基剤に由来するアレルゲンを評価し、妊娠・授乳中、医薬品を使用中又は医療上の管理を受ける者への相談案内を最新の公的情報に基づいて設ける。異常時の使用中止と連絡先も示す。
第5条(評価区分)
- 適合:植物種と果実部位、加工区分、脂肪酸等の含量、真正性、酸化及び工程由来検査がロット資料と表示で一致する。
- 一部適合:植物同定と主要組成は確認できるが、採取地域の追跡又は最終製品での油脂識別に不足があり、補完計画がある。
- 不適合:使用部位を特定できない、粉末・抽出物・脂肪酸量を混同する、又は他油脂との混和可能性を評価していない。
第6条(運用)
事業者は、植物受入記録、抽出工程資料、脂肪酸及びステロールの組成表、真正性評価並びに安定性成績を用いて自己適合宣言を行える。本協会は申請に基づき、表示された果実原料から参照資料、採取ロット及び抽出ロットまでを確認できる。産地、使用部位、抽出溶媒、供給者、配合油脂又は包装を変更した場合は再評価する。
附則
本基準は2026年9月3日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
