スクワレン品質・表示基準
JHFC-S-007 制定:2026年9月3日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月3日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
スクワレンは、海洋生物、植物油又は発酵等の異なる起点から得られ、原料油には由来ごとに異なる炭化水素、脂質及び微量成分が共存する。スクワレンは不飽和度が高く、精製後も酸素、光及び熱による変化を受け得る。さらに、名称の近いスクワランは水素添加された別物質である。本基準は、両物質の識別、由来、油中の実含量、酸化管理及び由来別検査を明確にするため制定する。
第1条(目的)
本基準は、スクワレンを含む健康食品について、化学的同一性、原料起源と精製履歴、スクワランとの区別、含量表示、油脂形態での安定性、不純物検査及び由来に応じた注意表示を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、動物性、植物性、微生物由来その他のスクワレン原料及びこれを配合した液状油、軟カプセル、乳化物、粉末化油脂等の経口製品に適用する。スクワランのみを配合する製品は対象外とし、両者を含む場合は個別に管理する。
第3条(用語の定義)
- 1. スクワレン:複数の炭素間二重結合を有する特定のトリテルペン炭化水素をいう。
- 2. スクワラン:スクワレンの水素添加により得られる飽和炭化水素をいい、スクワレンとは別に扱う。
- 3. 由来油:スクワレンを分離又は濃縮する前の動物若しくは植物由来油脂をいう。
- 4. 精製履歴:抽出、脱臭、蒸留、分別、濃縮その他、由来原料からスクワレン原料までの工程をいう。
- 5. 炭化水素組成:スクワレン、スクワラン及び他の炭化水素を識別する組成情報をいう。
第4条(要求事項)
- 1. 同一性は、標準物質との保持挙動及び質量スペクトル、赤外スペクトルその他の構造情報を組み合わせて確認し、スクワラン及び類似炭化水素との分離を示す。ヨウ素価等の総括的な不飽和度だけでスクワレンを同定しない。標準物質と分析用試液の管理記録を保持する。
- 2. 動物由来では生物種、使用組織、採取地域及び粗油製造までの履歴を、植物由来では植物種、使用部位、原料油及び採油法を記録する。発酵等では使用生物の識別、基質及び回収工程を明らかにする。混合由来の場合は各起点の比率管理を行い、単一由来であるかのように表示しない。
- 3. 抽出、分子蒸留、脱臭、脱色、濃縮又は水素添加工程の有無を工程図に示す。スクワランを併産又は同一設備で扱う場合は、転換及び交差混入の管理点を定める。由来油の名称、精製スクワレン原料及び製品中の油脂基剤を区別してロット資料を作成する。
- 4. 含量はスクワレンそのものの質量単位で、一日摂取目安量に対応させて表示する。原料油量、精製油量又は軟カプセル内容物量をスクワレン量としない。スクワラン等を含む場合は別々に定量し、原料規格による計算量と最終製品の実測量を識別する。表示値及び管理幅は事業者が分析根拠により設定する。
- 5. 安定性評価では、スクワレン量に加え、一次及び二次の酸化状態を把握できる項目並びに異臭、色調等を製剤特性に応じて選ぶ。遮光、容器の酸素透過、封入雰囲気、抗酸化設計、充填空隙及び開封後の接触条件を試験計画へ反映し、スクワレンの減少と総油脂の酸化を区別して記録する。
- 6. ロット検査にはスクワレン同一性、定量、炭化水素組成及び酸化関連項目を含める。海洋生物由来では環境由来汚染物質、植物由来では農薬等、発酵由来では微生物及び工程由来物質を候補とし、精製による除去能力を含むリスク評価で対象を決める。残留溶媒も実工程に応じて扱い、規格は事業者が根拠とともに提示する。
- 7. 表示では「スクワレン」と「スクワラン」を明確に書き分け、由来区分、スクワレン実測量、配合油脂及び保存方法を同じ製品仕様に対応させる。動物又は植物の種に由来するアレルゲンその他の申告事項を評価する。医薬品の使用中、妊娠・授乳中又は医療上の管理を受ける者への案内及び異常時の中止は、公的情報と個別評価に従って設ける。
第5条(評価区分)
- 適合:スクワレンがスクワランから識別され、起源、精製工程、実含量、酸化推移及び由来別検査がロット単位で対応する。
- 一部適合:同一性と含量は成立するが、由来油の一部履歴又は開封後の酸化資料に不足があり、補完措置が記録されている。
- 不適合:スクワランをスクワレンとして扱う、原料油量を含量として表示する、又は酸化状態と由来別の検査を設定していない。
第6条(運用)
事業者は、起源証明、精製フロー、炭化水素組成、製品定量及び酸化安定性資料により自己適合宣言を行える。本協会は申請に応じ、表示されたスクワレンから由来油及び分離・充填ロットまでを確認できる。生物種、採取部位、製造方式、油脂基剤、包装又は試験法の変更時には再評価する。
附則
本基準は2026年9月3日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
