乳酸菌品質・表示基準
JHFC-S-015 制定:2026年9月3日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月3日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
乳酸菌製品は、菌種名が同じでも菌株が異なり、培養、濃縮、乾燥及び保存条件によって生菌の状態が変わる。さらに、生菌、加熱処理菌体及び菌体成分では表示すべき数量の意味と確認方法が異なる。培養単位、原料粉末量及び最終製品中の菌数も同一ではなく、分類学上の名称は更新され得る。本基準は、菌株同一性、菌体の状態、計数法及び期限時の表示根拠を明確にするため制定する。
第1条(目的)
本基準は、乳酸菌を含む健康食品について、菌株の識別、培養・回収工程、生菌又は処理菌体の区分、菌数・菌体量表示、微生物学的品質、保存、第三者検査及び注意情報を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、乳酸を主な代謝産物として扱われる細菌のうち、事業者が属、種及び菌株を特定した生菌、加熱処理菌体、乾燥菌体又はこれらを配合する経口製品に適用する。発酵食品そのもの、培養上清又は代謝物だけを、菌体の存在確認なく乳酸菌数として表示しない。
第3条(用語の定義)
- 1. 菌株:由来、識別記号及び保存履歴により他の株と区別される微生物の系統をいう。
- 2. 生菌:指定した培養条件下で集落形成等により増殖可能性が確認される菌体をいう。
- 3. 処理菌体:加熱その他の処理を受け、生菌とは異なる測定基礎で管理される菌体をいう。
- 4. 菌数表示:一日摂取目安量又は製品単位に対応させ、測定法と菌体状態を特定して示す数量をいう。
- 5. 期限時保証:表示した保存条件と期限の範囲で、設定した菌数規格との対応を資料により確認することをいう。
第4条(要求事項)
- 1. 使用菌は属、種及び菌株識別記号を原料規格書に記載し、菌株の分離又は入手由来、保存株、作業用株及び継代履歴を追跡可能にする。同一性は表現型だけでなく、菌株を識別できる遺伝学的手法又は同等の資料で確認する。分類名が改訂された場合は旧名称との対応と採用根拠を版管理する。
- 2. 種培養、本培養、培地、回収、洗浄、濃縮、凍結又は乾燥、保護剤添加及び混合の各工程をロット記録へ結び付ける。培地と保護剤に由来するアレルゲン及び残留成分を評価し、生菌製品では酸素、水分、温度その他の失活要因を、処理菌体では処理条件と処理後の状態を管理する。
- 3. 生菌、加熱処理菌体及び両者の混合を明確に区分する。生菌数は培地、培養雰囲気、温度、時間及び集落判定を規定した方法で測定し、複数菌株の混合では株別計数の可否と算定方法を示す。処理菌体は総菌体計数、乾燥重量その他の採用指標を定義し、生菌数と同じ単位として合算しない。
- 4. 表示は一日摂取目安量又は製品単位との対応を明確にし、菌株名、菌体状態、測定単位及び製造時保証か期限時保証かを示す。原料投入菌数を最終製品の実測値として扱わず、回収・混合・充填による変動を反映する。事業者は菌数又は菌体量の規格を定め、試験法と安定性資料を根拠として提示する。
- 5. 最終製品試験では、共存菌株、製品由来微生物及び培養不能な菌体が測定へ与える影響を確認する。選択培地を用いる場合は対象株の回収と非対象菌の排除を検証し、遺伝子量を生菌数へ直接換算しない。固形、油状、酸性その他の製剤からの菌体回収方法を剤形ごとに定める。
- 6. 微生物学的品質では、目的菌以外の微生物、菌株の純度及び製造環境の衛生状態について、原料特性と工程に応じた管理項目を事業者が設定する。混入が疑われる場合の同定、隔離及び出荷判定手順を記録する。第三者検査は菌株同定、菌数又は衛生項目の範囲、検体段階、方法及び対象ロットを成績書で明らかにする。
- 7. 保存試験は、温度、湿度、酸素、光及び包装の防湿・密封性を考慮し、生菌製品では期限までの生菌数推移を、処理菌体では採用した品質指標の変化を観察する。開封後に吸湿又は反復開封の影響がある製品は取扱条件を設定する。表示には保存温度、開封後の扱い、アレルゲン、対象外の菌体状態を誤認させない説明及び異常時の利用中止・相談案内を記載する。
第5条(評価区分)
- 適合:菌株同一性、培養ロット、菌体状態、測定法、期限時の数量根拠、衛生管理及び保存表示が一貫する。
- 一部適合:菌株と数量表示は確認できるが、株別計数又は開封後資料に不足があり、補完方法と期限が記録されている。
- 不適合:菌株を特定しない、生菌と処理菌体を同じ基礎で合算する、又は投入菌数のみで期限時表示を裏付ける。
第6条(運用)
事業者は、菌株台帳、培養・加工記録、菌体状態の判定、製品計数、衛生試験及び保存推移により自己適合宣言を行える。本協会は申請に基づき、表示菌数から測定条件、製品ロット、作業用株及び保存株までを確認できる。菌株、培地、処理条件、保護剤、剤形、包装、保存条件又は測定法を変更した場合は再評価する。
附則
本基準は2026年9月3日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
