酪酸菌品質・表示基準
JHFC-S-017 制定:2026年9月5日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月5日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
酪酸菌として扱われる原料では、菌株の分類に加え、芽胞と栄養細胞の構成、発芽条件及び耐熱工程の影響が品質判定を左右する。加熱後に培養される菌数は、芽胞そのものの数、総菌体数又は酪酸生成量と同義ではない。近縁の芽胞形成菌との識別や、製剤から芽胞を発芽させて回収する条件も明示を要する。本基準は、菌株、生活環、発芽を含む計数及び加工耐性の情報を分離して評価するため制定する。
第1条(目的)
本基準は、酪酸菌を含む健康食品について、菌株同定、芽胞・栄養細胞・死菌体の区分、発芽及び培養試験、製造耐性、数量表示、衛生検査、保存並びに注意情報を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、事業者が酪酸菌として菌株を特定し、芽胞、栄養細胞、失活菌体又はこれらの組合せを配合する経口製品に適用する。酪酸若しくは他の代謝物だけを含む製品、又は菌株を確認できない発酵物を菌数表示する製品には適用しない。
第3条(用語の定義)
- 1. 芽胞:菌株が形成する耐久型の細胞状態で、規定条件で発芽後の増殖を評価できるものをいう。
- 2. 栄養細胞:発芽後又は培養中に増殖状態にある、芽胞とは区別して管理される細胞をいう。
- 3. 発芽回収法:前処理、発芽誘導及び培養を組み合わせ、製品中の培養可能な芽胞を求める方法をいう。
- 4. 耐性工程:加熱、乾燥、造粒、圧縮その他、菌の状態又は回収率を変化させ得る加工をいう。
- 5. 酪酸生成確認:規定培養条件下の代謝産物を菌株確認の補助情報として調べることをいう。
第4条(要求事項)
- 1. 使用株は学術的に妥当な属・種名、株識別記号、由来及び保存履歴で特定する。近縁の芽胞形成菌と区別できる遺伝学的又は同等の同定資料を備え、酪酸生成だけを株同定の根拠としない。保存株、製造用種菌及び培養ロットの関係を記録する。
- 2. 培養、芽胞形成誘導、成熟、回収、洗浄、乾燥及び担体混合について、芽胞化の判定方法と工程条件を設定する。原料ロットごとに芽胞、栄養細胞及び必要に応じ死菌体の状態を把握し、顕微鏡観察、染色、耐熱性又は培養法等から採用した確認手段とその限界を示す。
- 3. 加熱、噴霧又は凍結乾燥、造粒、打錠及び製品充填が、芽胞の生残、発芽及び栄養細胞に与える影響を工程別に評価する。耐熱性を示すときは対象となる菌体状態と試験条件を限定し、原料での結果を異なる製剤工程へ無条件に適用しない。工程逸脱時の隔離及び再判定手順を定める。
- 4. 数量試験は、加熱前処理の有無、発芽誘導条件、嫌気条件、培地、培養時間及び集落確認法を規定する。芽胞数を求める方法と総培養可能菌数を求める方法を区別し、製品成分による発芽阻害及び回収損失を検証する。複数菌株又は他の芽胞菌を含む場合は対象株を識別する確認工程を組み込む。
- 5. 表示には、一日摂取目安量又は製品単位、菌株、芽胞若しくは培養可能菌等の測定対象、単位及び保証時点を対応させる。酪酸量、原料粉末量、総細胞数及び仕込菌数を培養可能な酪酸菌数と同一視しない。事業者が状態別の規格を定め、発芽回収法、製品実測及び期限内推移を根拠として提示する。
- 6. 純度及び衛生管理では、目的株以外の嫌気性菌、近縁芽胞菌並びに培養・乾燥環境から混入し得る微生物をリスクに応じて選定する。外部検査を用いる場合、同定、芽胞計数、培養可能菌数又は衛生項目のどれを確認したかを明記し、検体の前処理と対象ロットを成績書に残す。
- 7. 保存試験では、温度、水分、酸素、包装及び製剤中の発芽誘導性が芽胞状態と回収菌数へ及ぼす変化を観察する。液状化又は開封により発芽若しくは失活が生じ得る製品は、使用中の条件も評価する。表示には菌体状態、保存・開封後条件、培地や担体由来の注意事項、異常時の利用中止及び相談案内を記載する。
第5条(評価区分)
- 適合:菌株、芽胞化工程、状態別判定、発芽回収法、加工耐性及び期限時数量が一貫して確認できる。
- 一部適合:株と培養可能菌数は確認できるが、芽胞と栄養細胞の内訳又は製剤別発芽回収に補足計画がある。
- 不適合:代謝産物だけで菌株を同定する、芽胞数と総菌数を区別しない、又は原料の耐熱結果のみで製品表示を裏付ける。
第6条(運用)
事業者は、菌株台帳、芽胞形成記録、状態別試験、発芽回収の検証、工程耐性及び保存資料により自己適合宣言を行える。本協会は申請に基づき、製品の表示対象から前処理条件、製造ロット及び保存株へ遡って確認できる。菌株、芽胞化条件、乾燥法、加熱工程、剤形又は発芽回収法を変更した場合は再評価する。
附則
本基準は2026年9月5日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
