食物繊維品質・表示基準
JHFC-S-020 制定:2026年9月5日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月5日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
食物繊維は、水溶性・不溶性、高分子・低分子及び天然由来・加工由来など性質の異なる画分を包含する。分析法によって回収される画分が異なり、複数素材を配合した製品では各原料の証明値の合計と最終製品の測定値が一致するとは限らない。乾燥重量、炭水化物量又は繊維原料量も食物繊維量とは別である。本基準は、表示対象の範囲、分析法の適合性、画分別情報及び製品量の根拠を明確にするため制定する。
第1条(目的)
本基準は、食物繊維量を表示する健康食品について、原料の由来、繊維画分の定義、水溶性及び不溶性等の区分、分析法の選択、製品含量、製造・保存管理、検査並びに注意情報を評価することを目的とする。
第2条(適用範囲)
本基準は、植物、藻類、菌類、動物又は加工糖質等に由来する一種類以上の食物繊維原料及びこれを含有量表示する経口製品に適用する。個別成分に別の成分別基準がある場合はその基準を併用し、本基準は食物繊維としての総量及び画分表示を扱う。
第3条(用語の定義)
- 1. 食物繊維総量:採用した分析法が対象とする各繊維画分を合算して得る量をいう。
- 2. 水溶性画分:規定した分析操作における溶解性と回収条件に基づき区分される食物繊維をいう。
- 3. 不溶性画分:規定した分析操作において不溶性残留物として回収され、補正後に求められる食物繊維をいう。
- 4. 低分子画分:沈殿等では回収されにくく、別の分離定量を要する低重合の食物繊維をいう。
- 5. 画分整合性:総量、区分量及び個別素材量の対象範囲と計算関係が矛盾しないことをいう。
第4条(要求事項)
- 1. 各繊維原料について、基原となる生物若しくは原料物質、使用部位、抽出・加工方法及び供給ロットを記録する。複合原料では担体、糖質、たんぱく質その他の非繊維成分を区別し、原料名称だけで食物繊維含有量を推定しない。由来及び加工助剤に関する注意事項を評価する。
- 2. 表示対象とする食物繊維の範囲を、水溶性、不溶性、低分子その他の画分及び採用分析法との関係で定義する。総量表示に含める画分と含めない画分を一覧化し、同じ成分の重複算入を防ぐ。事業者は画分別組成及び総量の規格を定め、設定根拠を提示する。
- 3. 分析法は、製品に含まれる繊維の分子サイズ、溶解性及び消化抵抗性を踏まえて選択する。酵素処理、ろ過、沈殿、分離定量、たんぱく質・灰分補正及び計算の条件を手順書に記載し、低分子画分又は加工由来繊維を含む場合は選択法で回収できる範囲を検証する。
- 4. 複数の繊維素材を配合する製品では、相互の溶解、沈殿及び分析応答を確認する。脂質、糖類、糖アルコール、たんぱく質、ミネラル及び増粘成分による妨害を評価し、剤形別の均質化と回収を検証する。原料規格値の単純合計を最終製品値として扱う場合は、その妥当性を製品試験で示す。
- 5. 表示は、一日摂取目安量又は製品単位に対応する食物繊維量を質量で示し、総量か特定画分かを明記する。水溶性及び不溶性を併記するときは各測定対象と総量との計算関係を維持し、原料重量、乾燥重量又は炭水化物差し引き値へ置き換えない。表示規格は事業者が定め、根拠を提示する。
- 6. ロット管理では、原料受入、混合均一性、製品含量及び方法固有の補正項目から、製品特性に応じた確認項目を設定する。第三者検査として表示する場合は、使用法、測定画分、原料又は最終製品の別及び対象ロットを成績書で明らかにする。異なる分析法の結果は対象範囲を比較せずに併合しない。
- 7. 保存中の吸湿、固結、相分離、粘度変化及び加水分解を、粉末、液体、ゼリーその他の剤形と包装に応じて観察する。開封後に水分又は分散状態が変わる製品は取扱条件を定める。表示には繊維の由来、総量・画分の別、保存方法、摂取目安、十分な水分を要する剤形等の製品別注意及び異常時の利用中止・相談案内を記載する。
第5条(評価区分)
- 適合:原料由来、画分定義、分析法の対象範囲、製品回収、総量・区分量及び表示が整合している。
- 一部適合:総量は確認できるが、低分子画分又は複合素材の回収資料に不足があり、補完方法と期限が記録されている。
- 不適合:原料重量を食物繊維量とする、分析法が対象画分を回収できない、又は同一画分を重複して総量へ算入する。
第6条(運用)
事業者は、原料由来台帳、画分一覧、分析法選択資料、製品回収試験、ロット成績及び保存記録により自己適合宣言を行える。本協会は申請に基づき、表示総量から各画分、製品ロット及び原料ロットまでを確認できる。原料、加工法、画分構成、配合、剤形又は分析法を変更した場合は再評価する。
附則
本基準は2026年9月5日から施行する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。事業者は本基準に基づき自己適合宣言を行うことができ、本協会は申請に応じて確認を行います。基準の引用・活用に関するお問い合わせはお問い合わせより。
