ビタミンK品質・表示基準
JHFC-S-027 制定:2026年9月7日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
ビタミンKという総称にはフィロキノンと側鎖の異なるメナキノン類が含まれる。「K2」の記載だけでは採用した同族体を識別できず、発酵抽出物と精製物でも確認すべき不純物が異なる。また、微量原料の測定では同族体や異性体の重なりが表示値の解釈を左右する。名称、分離分析及び利用時の注意を同じ製品仕様に結び付ける必要から、本基準を制定する。
第1条(目的)
ビタミンKの側鎖型及び調製原料の組成を明らかにし、総称表示の内側にある品質情報を検証可能にする。情報公開の共通部分はJHFC-A-001の五基準によって評価し、本書では同族体の識別と取扱条件を補う。
第2条(適用範囲)
フィロキノン又はメナキノン類を含有成分として表示する経口食品を対象とする。発酵物、油希釈原料及び粉末製剤も含む。記載した化学形態は使用可能な原料の一覧を意味せず、食品用途の可否を供給形態と販売地域に応じて別途確認する。
第3条(用語の定義)
- 1. フィロキノン:ビタミンK1として識別する化学形態。
- 2. メナキノン類:ビタミンK2と総称される、側鎖長の異なる同族体群。
- 3. MK表記:メナキノンの側鎖を区別する略記で、MK-4、MK-7等をいう。
- 4. 幾何異性体組成:対象同族体について区別されるシス体、トランス体等の構成。
- 5. 発酵由来画分:発酵物から分離した、目的メナキノンと随伴成分を含む部分。
第4条(要求事項)
1. 品質要求―側鎖型と純度
K1又はK2の区分に加え、K2は採用するMK表記を規格に付す。標準物質と比較した分離データで同族体を確認し、特定異性体の表示を行う場合はその識別資料も備える。事業者は目的同族体、異性体及び随伴キノン類の規格を設定し、単なる総ピーク面積とは区別して根拠を公開する。
2. 品質要求―発酵・精製工程
発酵原料では菌種、培地由来物、抽出溶媒及び菌体除去工程を製造資料に残す。精製後の画分を混合する際には同族体構成を照合する。油への希釈又は粉末化では原液濃度と希釈履歴を管理し、発酵物重量から目的メナキノン量を推定しない。工程図、分画記録及び受入成績を確認資料とする。
3. 検査―分離能力の確認
分析対象に応じ、フィロキノン、各メナキノン及び妨害成分を区別できる方法を採用する。検出前に誘導体化や還元操作を行うときは、その操作条件と測定応答を検証する。第三者検査へ渡した製品のロット及び採取方法を記録し、成績書で識別可能な範囲を公開する。機関、試験法及び照会経路も示す。
4. 表示要求―総量の内訳
含量は一日摂取目安量に対応するビタミンK量として示す。併記するK1、K2又はMK別量が総量とどのように対応するかを計算表で確かめる。担体入り製剤の添加量は別扱いとし、「K2」だけで特定同族体の含量を示したことにしない。表示に算入する形態は適用する国内の算定資料と照合する。
5. 品質要求―遮光と製品中の状態
工程中の採光、保管容器及び売場での光への曝露を想定して、同族体別の残存と関連ピークの変化を調べる。乳化品では相分離後の採取量も確認する。遮光仕様、開封後の扱い及び保存条件は包装試験の結果に対応させる。期限の判定に用いる規格は事業者が定め、試験根拠を提示する。
6. 摂取上の注意
ビタミンKに関する服薬時の公的注意情報を確認し、抗凝固薬を使用している者に事前の医師への相談を促す。発酵原料の培地や担体に由来するアレルゲン情報は最終処方で確認する。注意文を原料変更の審査項目に含め、販売ページと容器の双方で参照できるよう表示原稿を点検する。
7. 資料管理
MK表記を資料索引の検索項目とし、抽出画分、標準物質、分離条件及びラベル版を保存する。[ビタミンKの分類・注意資料](https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminK-HealthProfessional/)は参照箇所と確認日を登録する。試験法を変更したときは旧法と新法で合算対象が変わらないかを記録し、保存期間を事業者が明示する。
第5条(評価区分)
- 適合:全項目を満たし、使用同族体、総量への算入及び服薬時の注意資料が対応する。
- 一部適合:同族体と表示量の裏付けに欠落がなく、公開資料の整理上の不足について補完手順が定まっている。
- 不適合:MK表記を確認できない、分離不能な信号で特定同族体量を表示する、又は必要な相談表示を欠く。
第6条(運用)
宣言対象の同族体と原料調製方法を明記して自己適合宣言を行う。本協会は申請に応じて分離成績とラベルの対応を確認する。発酵条件、分画範囲又は同族体の追加に際して、分析と注意情報を含めた見直しを実施する。
附則
施行日は2026年9月7日とする。同族体の記載方法に関する解釈は、本協会が提示資料に基づき取り扱う。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
