クロム品質・表示基準
JHFC-S-032 制定:2026年9月7日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
クロムでは、総元素量の確認と価数の確認が異なる課題になる。原料がクロムを含むことと、目的とする三価の形態を備えることは同じ証拠では説明できない。製造設備、試薬又は採取器具からの混入も微量分析へ影響する。化学形態、混入経路及び分析時の変換を分けて管理し、総量表示の背後にある情報を明確にするため本基準を制定する。
第1条(目的)
クロムを配合する食品について、目的形態の識別と意図しない形態の管理を区別し、表示の検証条件を定める。共通の主体、製造、検査、含量及び登録情報はJHFC-A-001を上位とし、本書の価数別評価と併せて確認する。
第2条(適用範囲)
三価クロムを含む化合物又は食品素材を、クロム供給源として用いる経口健康食品を対象とする。食品用途の可否は化合物、由来及び販売地域ごとに確認し、本基準への適合を使用の承認として扱わない。六価クロムを意図して配合する製品は対象外とする。
第3条(用語の定義)
- 1. 三価クロム:酸化数が三価であると確認されるクロムの形態。
- 2. 六価クロム:目的原料とは区別して混入等を評価する、酸化数が六価のクロム形態。
- 3. 総クロム量:価数や結合状態を区分せず、元素として測定したクロム量。
- 4. 価数保持:採取から分析までの操作で、評価対象の酸化状態を変えないための管理。
- 5. 操作空試験:試薬、容器及び操作に由来するクロムの背景を確認する試験。
第4条(要求事項)
1. 品質要求―目的形態の確認
化合物名、結合相手、由来及び食品用途を示す資料を受入れ時に確認する。総クロムの成績に加え、三価としての説明を支える構造又は価数の確認資料を求める。酵母等では素材名称だけで結合状態を決めない。事業者は目的形態と不純物の規格を定め、[クロムの価数分類資料](https://ods.od.nih.gov/factsheets/Chromium-HealthProfessional/)と製品試験を区別して根拠を示す。
2. 品質要求―混入経路と製造管理
原料加工に使う酸・アルカリ等の試薬、接触金属及び洗浄工程を工程図に記載する。設備摩耗や前製品からの持越しが想定される箇所では、空試験や拭取り等の確認方法を定める。微量投入は原料の小分けから製品まで秤量記録を連結し、均一性の試験と清掃記録を出荷判定に添える。
3. 検査―総量と価数別の手順
総量用の分解試料と価数別検査用の試料を区別する。六価形態の評価では採取容器、抽出液、保存時間及び共存成分による変換を検証し、検出・定量の範囲を示す。不検出を無条件に不存在と書き換えない。第三者機関の方法、製品ロット、空試験及び回収の情報を公開資料へ結び、成績書の照会先を設ける。
4. 表示要求―形態表記の範囲
クロム含量は一日摂取目安量当たりの元素量として示す。三価という付記は、その確認資料と対応させる。化合物量、菌体量又は配位相手の重量を元素量へ算入しない。微量単位の転記を原成績書と照合し、六価形態の試験結果を示す際は検体、方法及び測定の限界を近接して記載する。
5. 品質要求―保存中の形態
酸化還元性のある配合成分、製品の液性及び接触包材を整理し、保存中に価数の説明が成立するかを評価する。総量が変わらないことだけで形態の維持を判断しない。採取後の変換と製品中の変化を分離できる計画を用い、事業者が期限時規格と根拠を提示する。保管表示には試験で採用した遮湿等の条件を反映する。
6. 摂取上の注意
クロムを含む複合製品との重複を利用者が確認できる案内を設ける。医薬品の使用や医療上の食事管理がある場合には、摂取前に医師へ相談する旨を表示する。公的資料の注意情報を製品の想定対象者と突き合わせ、自己判断による摂取目安の変更を促す表現がないことを表示審査で確認する。
7. 資料管理
価数別試験の採取条件、操作空試験、保存時間及び分析時点を原データとともに保持する。総量成績は価数の証明欄と別に登録し、試験省略の判断を行った場合も根拠を保存する。事業者は保存期間を定め、接触材質や分析前処理の変更後も旧ロットの判定を再確認できるようにする。
第5条(評価区分)
- 適合:全要求を満たし、目的形態、混入経路及び価数別試験の適用範囲が説明されている。
- 一部適合:形態、量及び混入評価の根拠が確保され、資料の公開索引等に限定された不足へ補完期限を設けている。
- 不適合:総量だけで三価を断定する、分析中の価数変換を放置する、又は不検出を条件なしで不存在と表示する。
第6条(運用)
自己適合宣言には使用するクロム形態と評価した混入経路を付す。本協会は申請資料における総量試験と価数確認の役割を審査する。原料の結合相手、接触金属又は保存中の液性を変更したときに評価を見直す。
附則
施行は2026年9月7日からとする。価数別検査の解釈に関する照会には分析条件を添える。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
