アルギニン品質・表示基準
JHFC-S-036 制定:2026年9月7日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
アルギニンは遊離塩基や塩の形で供給され、酸性原料と組み合わせた処方では、投入時の原料形態と製品中の状態が一致しない場合がある。塩の重量をそのまま成分量と読んだり、窒素の測定値だけで原料を識別したりすると、表示の検証が成立しない。原料の化学形、配合時の液性及び成分量の計算を結び付けるため、専用の品質・表示要件を定める。
第1条(目的)
本書は、アルギニンの受入れから最終包装まで、塩形と立体配置を識別したうえで含量を説明できる状態を求める。情報公開にはJHFC-A-001の五基準を適用し、以下に対イオン、関連アミノ酸及び酸との配合に関する確認事項を加える。
第2条(適用範囲)
対象は、食品用途が確認されたL-アルギニン、塩酸塩その他の塩を配合する粉末、錠剤、カプセル及び飲料とする。たんぱく質中の残基だけを含む食品は本書の対象に含めない。有機酸との混合原料は、単なる配合物か、特定の塩として規格化されたものかを申請資料に記載する。
第3条(用語の定義)
- 1. 遊離塩基換算量:塩を構成する対イオンと水分を算入せず、アルギニン本体に換算した質量。
- 2. 対イオン組成:アルギニンとともに塩を構成するイオンの種類及び量の関係。
- 3. 関連アミノ酸画分:オルニチン、シトルリン等、原料に随伴し得るアミノ酸を識別して扱う部分。
- 4. 配合液性:製造又は表示どおりの調製において、酸性原料等と接触した後の液性。
第4条(要求事項)
1. 品質要求―塩形と同一性・純度
受入規格には遊離塩基又は塩の別、対イオン、水分の扱い及びL体の指定を記す。構造を確認する試験と立体配置の資料を揃え、窒素定量を単独の同定根拠にしない。関連アミノ酸と残留無機塩について事業者が規格を定め、標準物質との比較及び製法資料から設定根拠を提示する。
2. 品質要求―中和・精製の製造管理
発酵品は培養液からの分離、樹脂処理及び結晶回収を記録し、合成品は残留原料と副生成物を工程別に確認する。塩形成時には酸の投入、終点判定、母液分離及び乾燥を管理する。酸を含む製品への配合では、局所的な液性差と溶け残りを調べ、投入順序を製造指図及び仕込み記録で確認する。
3. 表示要求―原料重量からの換算
一日摂取目安量に含まれるアルギニンを遊離塩基換算量で示し、採用した塩の名称を付す。塩重量を併記する場合は換算量とは別欄に置く。純度、水分、対イオン組成を反映した計算を処方表と分析値で照合し、酸を後から配合した事実だけを根拠に特定の塩名称を付与しない。
4. 検査―関連アミノ酸と測定対象
第三者機関へ依頼する定量ではアルギニンと関連アミノ酸の分離を確認する。たんぱく質配合品は、前処理によって結合成分が測定対象へ加わらない条件を検証する。塩組成は対イオン側の測定も用いて照合する。機関名、試験方法、原料又は製品の別、ロット及び照会先を公開し、抽出回収の成績を保持する。
5. 品質要求―配合液性と保存表示
粉末は吸湿と固結、液状品は液性、析出及びアルギニン量の推移を実包装で観察する。糖を併用する処方は着色も追跡し、外観だけで含量を判定しない。事業者が剤形ごとの保存規格、包装条件及び期限を設定し根拠を提示する。密栓、調製に用いる液体及び調製後の取扱いを試験結果から表示する。
6. 摂取上の注意
塩形の異なるアルギニン製品へ切り替える際は、原料重量ではなく表示された換算量と目安量を確認するよう案内する。酸性の食品を利用者が追加して独自に調製することを前提とした摂取指示は設けない。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を記載し、注意欄と希釈・計量の手順を包装見本で照合する。
7. 資料管理
塩形成前後の成績、対イオン分析、換算式及び配合液性の推移を原料コードごとに保存する。[L-アルギニンの化学情報](https://www.ebi.ac.uk/chebi/CHEBI%3A16467)は立体指定を照合する参照先とし、閲覧日と採用項目を記録する。保存期間を事業者が決め、酸の変更時には旧処方の換算表も取り出せるようにする。
第5条(評価区分)
- 適合:全要求に対応し、塩形、対イオン、配合液性及び遊離塩基換算表示の根拠が連結している。
- 一部適合:同定、換算及び保存判定は完了し、公開資料の参照案内だけに軽微な不足と補完期限がある。
- 不適合:塩重量をアルギニン本体の量とする、窒素値だけで同定する、又は酸の配合後の状態を確認できない。
第6条(運用)
事業者は採用塩と換算基礎を添付して自己適合宣言を行う。本協会は申請された塩形ごとに表示計算と中和記録を確認する。対イオン、精製樹脂又は酸性副原料を変更した際、及び定期点検時に宣言内容を見直す。
附則
2026年9月7日より施行する。塩形に関する照会資料には対イオン名と水分基準を添える。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
