亜麻仁油・えごま油品質・表示基準
JHFC-S-041 制定:2026年9月7日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
亜麻仁油とえごま油は別の植物の種子から得られ、α-リノレン酸を含む油脂として同じ欄で紹介される場合がある。しかし、その成分を測定しただけでは植物の由来や混合油の内訳を確定できない。搾油後から開封後まで酸素に触れる条件も変わる。種子の識別、搾油の履歴及び販売容器での品質推移を一体で確認するため本基準を設ける。
第1条(目的)
両油の由来と混合関係を追跡し、油脂量、脂肪酸量及び保存条件をそれぞれの根拠から説明できる状態を求める。JHFC-A-001の五基準による情報公開に加え、種子原料の真正性と開封を伴う酸化管理を評価する。
第2条(適用範囲)
亜麻の種子からの亜麻仁油、えごまの種子からのえごま油及びこれらの配合食品を対象とする。瓶詰め油、カプセル、乳化物及び粉末化油脂を含む。種子粉末そのものは対象外とし、他油との調合品は原料別の構成を明示して適用する。工業用途の油を食用原料として取り扱わない。
第3条(用語の定義)
- 1. 種子由来単位:植物種、収穫地域、収穫期及び保管履歴をまとめて追跡する原料の単位。
- 2. 搾油条件:圧搾、溶媒抽出、ろ過及び精製の実施内容と、油が受けた温度等の履歴。
- 3. α-リノレン酸量:他の脂肪酸や油脂の骨格部分を含めず、当該脂肪酸の質量として求めた量。
- 4. 開封使用試験:開栓、注ぎ出し及び再栓を繰り返し、実使用に伴う品質変化を確認する試験。
第4条(要求事項)
1. 品質要求―種子と油の真正性
種子の植物種、異種種子の混入及び食用としての取扱履歴を受入資料で確認する。えごまとごまを原料名で区別する。油の脂肪酸組成を供給記録と照合し、必要に応じてステロール等の組成を追加する。α-リノレン酸の測定だけで原産地や単一油であることを断定せず、由来判定の根拠を残す。
2. 品質要求―搾油・調合の製造管理
種子の乾燥、保管、圧搾及びろ過を連続したロットで管理する。低温圧搾等の表現を採用するときは測温位置と実測履歴を示す。脱臭や溶媒抽出の実施は工程表に記録する。他油との共用設備では切替え時の残留と調合収支を確認し、油種ごとの投入量を充填記録まで追跡する。
3. 品質要求―純度と汚染要因
事業者が水分、夾雑物、遊離脂肪酸及び異種油混入を判定する規格を定め、根拠を提示する。栽培と種子保管に応じて残留農薬やかび由来物質、精製に応じて残留溶媒等を検査計画に組み入れる。検査対象を省く場合も原料・工程資料から理由を説明し、未精製であることを品質判定の代用にしない。
4. 検査―脂肪酸量と酸化状態
第三者検査で脂肪酸組成と採用した酸化指標を確認する。成分比から含量へ換算する場合は脂質量と脂肪酸量の違いを補正する。原料油及び製品からの油の回収方法を区別し、粉末化油脂は担体からの回収を検証する。機関名、方法、試料段階、対象ロット及び照会先を公開し、汚染物質検査の実施範囲を添える。
5. 表示要求―油種と一日量
亜麻仁油又はえごま油の名称と一日摂取目安量中の当該油量を示す。α-リノレン酸を主要成分として掲げる場合はその量を別に表示する。調合品の割合は油脂部分を分母とするか製品全体かを明記する。食品成分表の代表値だけで実製品の含量を確定せず、仕込み記録と製品分析で表示原稿を確認する。
6. 品質要求―開封後を含む保存
酸化の初期と進行後を捉える指標を組み合わせ、遮光性、容器内空間及び注ぎ口に残る油を評価する。開封使用試験では残量による変化も記録する。事業者が判定規格と期限の根拠を示し、未開封時と開封後の保存場所、密栓及び使用期間を分けて表示する。臭いの確認だけで酸化判定を終えない。
7. 摂取上の注意
食用油としての利用方法は、加熱の有無を含め製品で確認した条件に合わせる。別容器への長期移替えや注ぎ口を汚す扱いについて、保存試験から必要な注意を定める。治療中・投薬中の者には医師への相談を案内する。原料に対するアレルギー情報と容器異常時の使用中止案内を表示見本で確認する。
8. 資料管理
種子由来単位、搾油回次、調合槽及び充填品の対応表を保存する。[あまに油](https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=14_14023_7)と[えごま油](https://fooddb.mext.go.jp/details/details.pl?ITEM_NO=14_14024_7)の公的食品分類を参照した場合は実製品の成績と分ける。事業者が記録保管期間を設け、注ぎ口仕様の変更も開封試験の版へ反映する。
第5条(評価区分)
- 適合:全項目を満たし、種子から調合・表示まで追跡でき、開封使用条件の品質根拠がある。
- 一部適合:油種、含量と酸化判定は確認済みで、由来資料の案内等の軽微な不備に補完期限がある。
- 不適合:脂肪酸比だけで油種を断定する、混合油の分母が不明、又は開封後表示を試験で裏付けられない。
第6条(運用)
事業者は油種と包装仕様を付して自己適合宣言を行う。本協会は種子台帳及び開封使用試験を申請資料から確認する。種子供給、脱臭条件、調合割合又は注ぎ口の変更時に再評価し、定期見直しで保存案内を点検する。
附則
2026年9月7日を施行日とする。両油の照会では単一油か調合油かを明示する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
