クルクミン品質・表示基準
JHFC-S-044 制定:2026年9月7日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月7日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
ウコン粉末、濃縮した色素原料及び分散加工品は、外観が似ていてもクルクミンの含量と構成が異なる。色素の取引資料で使われる総量の呼称をそのまま食品表示へ移すと、単一成分の量との境界が失われる。植物原料の受入れ、精製時の収支及び一回の取り出しに含まれる量を確認し、原料呼称から包装上の含量まで辿れる基準を制定する。
第1条(目的)
本基準は、クルクミンを指定する健康食品について、原料の真正性、個別成分量及び製品からの採取を評価する。JHFC-A-001を情報公開の上位規範とし、食品としての原料説明、抽出履歴及び表示校正に必要な実務要件を定める。
第2条(適用範囲)
ウコンの根茎粉末、抽出・精製原料及び食品用途を確認した他の製法によるクルクミンを含み、その量を示す経口食品に適用する。錠剤、カプセル、顆粒及び液状製品を含む。水素添加等で構造を変えた物質は別成分として扱い、未修飾のクルクミン表示量へ含めない。
第3条(用語の定義)
- 1. 個別クルクミン:本書で含量表示の対象とするクルクミン単独の化合物。
- 2. 併存クルクミノイド:デメトキシクルクミン、ビスデメトキシクルクミン等の近縁成分。
- 3. 精製収支:植物又は出発原料から得た抽出物、結晶、残液等に含まれる対象成分量の対応。
- 4. 採取代表性:表示した混合・振とう操作で取り出す部分が、製品全体の成分構成を代表する程度。
第4条(要求事項)
1. 品質要求―原料の真正性と純度
植物由来品は植物種、根茎の受入形態及び粉末化前の識別資料を揃える。精製品については個別クルクミンと併存成分を分析標準で確認する。着色のために加えた別色素や他の植物粉末がないかを由来調査と分析で検討する。事業者は目的物、夾雑物及び由来に応じた汚染物質の規格を定め、その根拠を提示する。
2. 品質要求―抽出・晶析の製造管理
抽出溶媒、濃縮、晶析、母液回収及び再処理の条件をロットごとに記録する。回収結晶の重量だけで精製収支を完了せず、各画分の個別クルクミン量を用いて確認する。共用設備では黄色い付着物を洗浄指標に使う範囲を定め、残留測定と照合する。原料植物の変更は抽出収率及び併存成分の構成から審査する。
3. 検査―個別定量と異物の識別
第三者機関へ最終製品の個別クルクミン定量を依頼し、併存クルクミノイドを区別できる分離を確認する。色価や一括した吸光度だけを単独成分の定量値にしない。疑義のある着色物や残留溶媒の検査は原料評価から選定する。機関名、方法、製品ロット及び照会先を開示し、採用標準と未帰属ピークの判定記録を残す。
4. 品質要求―製品全体からの回収
被覆品は内部の色素を取り出す前処理を確かめ、液状品は上部、沈殿部及び容器壁に残る部分の収支を調べる。ろ過材への吸着も回収試験で評価する。事業者が採取代表性と残留の判定規格を設け、指定の振とうや混合で得られる量を実製品で示す。透明な上澄みだけを採取して製品全量を評価しない。
5. 表示要求―食品原料名と成分量
一日摂取目安量当たりの個別クルクミン量を記載する。クルクミノイド総量を付すときは合算する成分を列挙し、単独量を内訳として示す。ウコン粉末、抽出原料又は分散加工品の配合重量は別欄に置く。原料名に含まれる濃縮の説明は精製収支と照合し、色素総量の規格書を単独量の包装欄へ転記しない。
6. 保存要求―光と採取条件
製品の光への接触、液性及び保存中の沈降を条件別に調べ、個別成分量と採取代表性の推移を記録する。事業者が保存規格、期限及び開封後の条件を根拠とともに設定する。遮光や混ぜ方の表示は包装の実仕様に対応させ、保存試験終了時にも指定操作で成分を取り出せるかを確認する。
7. 摂取上の注意
根茎粉末と濃縮原料を同じ重量で置き換える使い方を案内しない。沈殿のある液状品では表示した調製操作を守る旨を記し、再分散しない製品についての連絡先を設ける。治療中・投薬中の者には医師への相談を示す。分散用の補助原料も相談時に確認できるよう原材料表示と注意文を照合する。
8. 資料管理
[公的なクルクミン原料の組成資料](https://www.fao.org/fileadmin/user_upload/jecfa_additives/docs/Monograph1/Additive-140.pdf)を参照する際は、資料の総色素量と本書の個別量の対応を記録する。精製収支、製品回収試験及び単独量の計算を保存し、期間は事業者が定める。容器や分散方法の更新時は、旧試料採取法を継続できるか判断した履歴を残す。
第5条(評価区分)
- 適合:全事項が成立し、植物等の由来、精製収支、製品からの採取及び単独量の表示を追跡できる。
- 一部適合:真正性、個別定量と採取は検証済みで、参照資料の案内等に限る不足に補完期限がある。
- 不適合:総色素量を単独量とする、未確認の着色物がある、又は容器内の残留を含む量の検証がない。
第6条(運用)
事業者は原料区分と製品の採取操作を添えて自己適合宣言を行う。本協会は申請品の精製収支と取り出し量を確認する。根茎供給、結晶回収又は分散方式の変更時に再審査し、定期見直しで原料呼称と個別量の対応を点検する。
附則
2026年9月7日より本書を施行する。量表示の照会には単独量又は総量の区分と対象成分を付記する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
