エクオール品質・表示基準
JHFC-S-050 制定:2026年9月8日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月8日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
エクオールは立体配置の指定を伴う成分であり、発酵原料の重量やエクオールの総測定値だけでは、表示した型の量を確定できない。発酵に使用した大豆由来成分や未変換の基質も、最終原料の説明に残す必要がある。本基準は、原料生成の記録と異性体を分けた検査により、食品中に現存する量を裏付けるために設ける。
第1条(目的)
エクオールの立体配置、生成経路及び製品中の含量について、相互に照合できる証拠を定める。情報公開の上位要件であるJHFC-A-001に基づき、発酵物量と指定異性体量の境界を明確にする。
第2条(適用範囲)
対象
食品用途と立体配置を確認したエクオール原料及びこれを含む粉末、錠剤、カプセル、液状食品を対象とする。発酵物のまま配合するものと分離精製したものを区分する。原料に含むダイゼイン等から摂取後に生じると想定した量は、製品含量の対象に入れない。
第3条(用語の定義)
- 1. 指定異性体:製品規格でS体又はR体等として特定したエクオールの立体配置。
- 2. 異性体別定量:立体配置を分離又は識別して各々の量を求める分析。
- 3. 未変換基質:生成工程を終えた後も残るダイゼイン等の出発成分。
- 4. 発酵物乾燥量:エクオール以外の基質残分等を含む発酵物の乾燥重量。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:立体配置の証明
エクオール本体の同定と指定異性体の確認を別項目として設ける。標準試料を用いた異性体別分析は[立体選択的な生成と分離の報告](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/15640190/)等と分析原理を照合する。事業者が異性体組成、未変換基質及び関連生成物の規格を定め、構造資料と成績から設定理由を示す。
2. 品質要求:発酵終了時の製造管理
使用菌株、基質、培地及び培養条件を識別し、基質の消費だけで工程完了を決めず、エクオール生成量を確認する。菌体を残すか除去するか、加熱処理の有無及び乾燥までの保持条件を工程表に記す。精製品は回収画分と排除した画分を追跡し、合成経路を採る場合も残留原料の確認記録を備える。
3. 検査:総量と指定異性体量の照合
第三者機関でエクオール量を測り、立体指定を表示する場合はキラル分離等によってその内訳を確認する。発酵物を含む試料ではダイゼインや近接ピークの干渉を評価する。総量から指定異性体量を算定するなら比率の試料ロットを一致させる。機関名、分析法、原料又は製品の別、ロット及び照会先を公開する。
4. 表示要求:発酵物量からの切り分け
一日摂取目安量中のエクオール量と異性体の指定を明示する。S体の量を示す欄へ総エクオール量を転記しない。発酵物乾燥量や大豆イソフラボン量を併記する場合は独立した内訳とし、エクオール量に加算しない。表示値は最終処方、原料成績及び製品検査を用いて照合する。
5. 品質要求:発酵原料の随伴物
大豆等の基質由来たんぱく質、培地成分、微生物及び精製溶媒の残留を製法別に調査する。事業者が各項目の規格と検査頻度を定め、省略する項目も理由を提示する。発酵終了後の菌体の取扱いを成績書で確認し、発酵物の名称だけを根拠に生菌を含むとする表示を採用しない。
6. 品質要求:混合・保存時の含量維持
低配合量の粉体では予備混合と分取順序を記録し、分包位置別のエクオール量を検査する。液状品は析出部と液相を含めて回収を確認する。事業者が含量、異性体組成及び微生物の保存規格を設定し、実包装の試験から期限、遮光、密栓等の表示条件を決定する。
7. 摂取上の注意
他のエクオール含有製品と重ねて利用する際は、指定異性体量と一日摂取目安量を確認するよう案内する。大豆を用いた発酵原料では原材料情報に沿ってアレルギー注意を審査する。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を記載し、相談時に基質や副原料の情報を提示できるようにする。
8. 資料管理
菌株・基質の対応、培養終了判定、未変換基質の分析及び異性体別成績を生成ロットで連結する。分析標準の立体指定と純度証明を保存し、事業者が保管期間を設ける。発酵物の配合率を変更したときは、エクオール量と大豆成分量をそれぞれ再計算した記録を残す。
第5条(評価区分)
- 適合:すべての要求に対応し、生成経路、指定異性体及び食品中の実測量が整合する。
- 一部適合:異性体と含量の判定は終了しており、資料リンク等の軽微な不足に補完期限がある。
- 不適合:総量を指定異性体量とする、発酵物重量を成分量とする、又は摂取後の想定生成量を表示含量へ算入する。
第6条(運用)
自己適合宣言には異性体指定と発酵物又は精製品の区分を記す。本協会は申請品の生成記録及び立体分析を確認する。菌株、基質、精製画分又はキラル測定条件を変えた際に再確認し、定期審査では指定量の表示を点検する。
附則
本書の施行日は2026年9月8日とする。異性体に関する照会資料は総量の資料と分けて提示する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
