エラスチン品質・表示基準
JHFC-S-057 制定:2026年9月8日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月8日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
エラスチンを含む動物組織には他のたんぱく質も共存し、組織の投入量と精製したエラスチンの量は異なる。さらに、不溶性の原料と可溶化・加水分解した原料では分析対象が変わる。総たんぱく質の測定だけではこの違いを説明できないため、本基準は組織からの分離と識別指標の対応を中心に、原料の命名と含量表示を評価する。
第1条(目的)
エラスチン原料の分離画分、可溶化状態及び識別の確かさを明らかにする。JHFC-A-001に定める主体識別等の五基準を上位に置き、共存たんぱく質と換算の取扱いを補足する。
第2条(適用範囲)
対象
食品として用いる動物組織由来のエラスチン含有原料、分離エラスチン及びその加水分解物を対象とする。粉末、顆粒、カプセル、飲料等に適用し、使用組織と加工状態を指定する。医療材料、外用品及び単なる組織粉末を、精製エラスチンと同一の区分では評価しない。
第3条(用語の定義)
- 1. 分離エラスチン画分:組織から共存物を除いて得た、エラスチンを対象とする分離部分。
- 2. 可溶化状態:未処理、可溶化又は加水分解の別と、溶液中へ移る範囲を記述した状態。
- 3. 架橋指標:デスモシン、イソデスモシン等、識別のために測定する成分。[架橋アミノ酸の分析資料](https://www.jstage.jst.go.jp/article/chikusan1924/62/2/62_2_186/_pdf/-char/en)を参照して選ぶ。
- 4. 共存たんぱく質:分離画分に残るコラーゲン等、対象エラスチン以外のたんぱく質。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:動物組織と分離前の識別
魚類又は哺乳類等の動物種、使用組織及び一次処理を特定する。組織写真、調達記録又は加工前試料の識別結果を原料証明と照合し、異なる組織をまとめた原料では内訳を保持する。種と組織を確認できない場合、後工程の窒素分析値によって由来確認を置き換えない。
2. 品質要求:共存物の除去と製造管理
脱脂、洗浄、他のたんぱく質の除去、可溶化及び分解を実施順に記録する。分離残渣と可溶画分の回収先を追い、目的画分への再投入を管理する。薬剤、酵素及び中和・脱塩の管理点は事業者が工程試験に基づいて定め、製造記録と残留物検査で確認する。
3. 品質要求:同一性・純度の判定
架橋指標、アミノ酸組成及び共存たんぱく質の測定を組み合わせる。事業者は動物種と処理条件ごとの参照試料を設け、識別及び不純物の規格と根拠を提示する。架橋指標の検出だけで画分全体を純エラスチンと判断せず、加水分解に伴う指標の回収の違いを確認する。
4. 検査:指標回収と第三者分析
第三者機関に架橋指標又は識別可能な分析パターンを依頼する。試料を分解して測る場合は前処理の回収率、標準物質及び共存成分の妨害を評価する。微生物や由来別の汚染物質も計画に含める。機関名、試験法、対象画分、ロットと照会先を公開し、未処理品の成績を分解製品の結果として流用しない。
5. 表示要求:原料区分と含量根拠
一日摂取目安量当たりのエラスチン又はエラスチン加水分解物の量を、算定した対象名とともに示す。エラスチン含有組織粉末や担体を含む製剤はその配合量を区別する。指標量から換算する場合は組織及び加工状態に対応する係数の根拠を備え、係数を裏付けられない値を確定含量として表示しない。
6. 品質要求:分散と保存表示
不溶性品は沈降と計量の均一性、加水分解品は吸湿及び臭気変化を調べる。保存中の識別指標と分散状態を実製品で追跡し、事業者が許容する状態、包装及び期限を定める。振とうの要否や開封後の密閉方法は、取り出した試料のばらつきと保存成績を根拠に表示する。
7. 摂取上の注意
魚類等の原料動物及び加工助剤に関するアレルギー資料を用いて注意を設定する。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を添える。粉末のまま大量に口へ入れるような案内を避け、剤形に応じた摂取方法を校正する。凝集や異臭がある製品の使用を控え、異常時の中止と連絡先を表示する。
8. 資料管理
分離画分の回収記録、架橋指標の生データ、共存物の評価及び表示換算の版を一組として保存する。保存期間は事業者が規定する。分析法を切り替えた場合は旧法との対応を残し、同じエラスチンの名称で異なる算定対象が混在していないか、表示原稿から分析台帳へ遡って確認する。
第5条(評価区分)
- 適合:組織識別から分離画分、分析指標及び表示計算まで整合し、全要求の証拠がそろう。
- 一部適合:画分の識別と含量計算が成立し、旧法との対照資料の整理等に限定した不足へ対応期限がある。
- 不適合:組織粉末を分離品と称する、共存たんぱく質を控除せず実含量とする、又は換算係数に根拠がない。
第6条(運用)
事業者は可溶化状態と測定対象を付して自己適合宣言する。本協会の確認では、申請品の架橋指標と分離工程の対応を審査する。原料組織、分離法又は指標換算法の変更を再点検の契機とし、分析技術の動向も見直しに反映する。
附則
2026年9月8日より適用する。照会資料には分離品と加水分解品の別を記載する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
