霊芝品質・表示基準
JHFC-S-059 制定:2026年9月8日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月8日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
霊芝の流通名には分類上の名称が重なる場合があり、名称だけでは使用菌を確定できない。子実体、菌糸体及び胞子では採取工程が異なり、培養基材の残存や抽出溶媒の選択も製品の組成に関わる。本基準は、採用した分類資料と使用部分を明示し、粉砕・抽出後にも原料の由来と表示量を追跡できる状態を整える。
第1条(目的)
霊芝原料の菌の同定、使用部分及び培養由来成分の区分を審査する。JHFC-A-001の五基準を情報公開の共通要件とし、菌類原料としての証拠と抽出物の測定範囲を本書で扱う。
第2条(適用範囲)
対象
霊芝の名称で供給され、食用の使用条件を確認したGanoderma属の子実体、菌糸体、胞子及びそれらの抽出物を対象とする。原料粉末、錠剤、カプセル、液状品等に適用する。菌糸体を含む培養基材は菌糸体単体と区別し、別属のきのこ及び由来未確認の混合粉末を本書の霊芝量に含めない。
第3条(用語の定義)
- 1. 採用学名:同定に用いた分類資料、参照日及び異名との対応を伴う原料菌の名称。
- 2. 使用部分区分:子実体、菌糸体、胞子又は培養基材を含むものを区別する表示単位。
- 3. 培養基材残分:回収した菌糸体原料に残る穀類、おが粉等の培養用物質。
- 4. 抽出組成図:抽出条件ごとの成分パターンを比較する分析資料。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:菌の同一性
種菌記録又は採取資料に採用学名と同定方法を付す。形態資料と必要な遺伝学的資料を組み合わせ、参照配列の由来も確認する。[霊芝原料の識別研究](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4543481/)を方法選定の資料とし、抽出後に識別できない場合は加工前の保存試料と製造対応で補う。通称のみを同定証拠にしない。
2. 品質要求:栽培・回収の製造管理
種菌の継代、培養基材、栽培区画及び収穫時点を追跡する。子実体の切出し、菌糸体の分離又は胞子の捕集を工程別に記録し、異種菌、土砂及び基材の混入を点検する。胞子を破砕したと表示するときは破砕状態を観察する方法を定め、装置を通した事実のみで処理状態を判定しない。
3. 品質要求:抽出物と純度の規定
熱水又はその他の食品用溶媒による抽出条件、濃縮及び担体添加を記録する。多糖類等を組成指標とする場合、培養基材由来のでん粉や添加糖を識別する試験を選ぶ。事業者が使用部分、夾雑物及び組成の規格を定め根拠を提示する。総糖量だけから菌由来の特定多糖量を算定しない。
4. 検査:第三者機関による組成と汚染確認
第三者検査では使用部分に対応する成分パターンと、栽培・抽出条件から選定した残留農薬、元素、微生物等を扱う。指標の定量は標準物質と基材の妨害を確認し、抽出組成図を同じ前処理で比較する。機関名、方法、検体形態、ロット及び照会先を公開する。規格と検査頻度の根拠は事業者が保持する。
5. 表示要求:部分名と抽出物重量
一日摂取目安量当たりの霊芝原料量に使用部分と粉末・抽出物の別を付記する。菌糸体含有培養物は基材を含む量であることを明示する。抽出物量、担体込みの製剤量及び指標成分量を別に示し、原料換算倍率には乾燥基準と歩留まりを添える。異なる部分を混合した場合の内訳を配合票で照合する。
6. 品質要求:形態別の保存条件
乾燥子実体は吸湿と異物、胞子原料は凝集や油脂状態、液状抽出物は沈殿及び微生物状態を追跡する。指標成分の保存中の推移も調べ、事業者が包装、期限及び保存規格を定める。開封後の密閉や液状品の扱いを表示し、自然由来という説明で外観異常を一律に許容しない。
7. 摂取上の注意
きのこ原料と培養基材の残存に関するアレルギー資料を確認し、穀類等の由来情報を注意文の審査に含める。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を示す。子実体煎出用と抽出粉末の調製方法を混同しない案内を設ける。異常時の摂取中止と相談窓口が包装及び販売画面で一致するか確認する。
8. 資料管理
採用学名の根拠、同定試料、種菌から収穫への記録及び抽出組成図を連結する。事業者が資料保存期間を決め、分類名の変更と実原料の変更を別々に記録する。胞子と子実体を併用する製品では各捕集・収穫単位の対応を残し、問い合わせ品の由来を逆引きできる索引を点検する。
第5条(評価区分)
- 適合:菌の同定、使用部分、培養基材の扱い及び抽出量の表示を含む全要件が確認できる。
- 一部適合:種と使用部分が確定し、規格と表示に誤りがなく、異名資料の参照整理等に期限付きの補完がある。
- 不適合:菌の同定根拠がない、培養基材込みを菌糸体単体量とする、又は使用部分の表示が事実と異なる。
第6条(運用)
自己適合宣言に採用学名、使用部分及び基材残存の有無を記載する。本協会は申請品と加工前の同定資料のつながりを確認する。種菌、基材、収穫部分又は抽出溶媒を変えたときは再評価し、分類資料の更新を定期見直しに含める。
附則
本基準の運用開始日は2026年9月8日とする。原料照会には通称と採用学名を対応させる。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
