紅麹品質・表示・注意喚起基準
JHFC-S-064 制定:2026年9月8日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月8日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
紅麹の管理では、使用する菌株の確認に加え、培養中の目的外微生物の混入と、製造時に想定しなかった物質を扱う必要がある。限られた項目の検査や従来ロットとの外観比較だけでは、異常の有無を判断しきれない。本基準は品質情報の提示とともに、摂取の中止案内、製品の隔離、相談情報の集約及び関係ロットの追跡を重視して定める。
第1条(目的)
紅麹含有食品の異常を見逃さず、利用者への注意と流通上の対応へ結び付ける管理を評価する。JHFC-A-001の五基準を基礎とし、培養記録、検査の限界及び注意喚起の更新を追加要件とする。
第2条(適用範囲)
対象
食品用の穀類等にMonascus属の菌を培養した紅麹、その粉末・抽出物及び経口健康食品を対象とする。食品用途への使用条件を製品ごとに確認する。色素を分離した原料は全培養物と区別し、本書への適合だけで食品添加物等の用途適格性を判定しない。他属の麹菌による発酵物は対象に含めない。
第3条(用語の定義)
- 1. 種菌系譜:保存株から接種・継代を経て製造培養へ至る菌株の記録。
- 2. 目的外混入:管理対象の紅麹菌以外の微生物又はその由来物質が工程に入る事象。
- 3. 異常組成所見:参照ロットと異なる分析ピーク、未同定成分等、追加調査を要する観察結果。
- 4. 関連ロット群:種菌、培養設備、原料又は再加工物の共用から関連を調べる製品群。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:菌株・培地の同一性
種名、菌株識別、保存状態及び種菌系譜を確認し、培地穀類の由来を記録する。異なる株や培地をまとめて同じ規格に入れる場合は比較資料を備える。事業者が同一性、夾雑物及び組成の規格を定め根拠を示し、菌株の同定をもって目的外混入がないと判断しない。
2. 品質要求:培養環境の製造管理
接種、培養、乾燥、粉砕の間の開放操作と空気・器具の接触点を特定する。環境観察、清掃、設備分解点検及び乾燥後の再汚染管理を記録する。異常な色、臭気又は培養経過を認めた単位は隔離する。再加工や他ロットへの混合で処置を代替せず、品質責任部門が調査範囲と判定理由を記す。
3. 検査:第三者確認と未同定成分
[紅麹に関する公的公表資料](https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/daietto/index_00013.html)を点検し、シトリニン、プベルル酸等の管理対象と異常組成の調査法を更新する。第三者機関による選定項目の測定と参照試料の分析比較を行う。規格は事業者が根拠付きで設定し、機関名、方法、検出範囲、検体段階、ロット及び照会先を公開する。既知項目の不検出だけで未同定の所見を解消済みとしない。
4. 表示要求:培養物量と検査範囲
一日摂取目安量当たりの紅麹粉末又は抽出物の量を区分して示す。モナコリン類等を測定・表示する場合は対象成分と算定範囲を特定し、紅麹全量とは分ける。検査案内は対象ロットと項目に結び付け、全製品・全物質を確認したと誤読される表示を避ける。現行表示を出荷判定資料と照合する。
5. 品質要求:保存と留置試料
原料、培養中間体、乾燥物及び製品について調査用試料を確保する計画を設ける。吸湿と微生物状態、組成変化を調べて事業者が保存条件及び期限を定め、開封後の密閉方法を表示する。調査用試料の採取位置、封緘、保管及び持出しを記録し、再検査までの取扱いを追跡できるようにする。
6. 摂取上の注意
体調に異常を感じた場合は摂取を中止し医療機関へ相談する旨を、包装と購入前の画面に示す。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨も記す。回収や摂取中止案内の対象品は摂取しないこと、対象を照合できない場合の問い合わせ先を明示する。異常時には包装番号と使用時期を伝えられるよう案内し、相談を受けるまでの継続摂取を勧めない。
7. 注意喚起と出荷保留
健康被害が疑われる相談、行政通知又は異常組成所見を受けた場合、因果関係の確定を待たず責任部門へ連絡する。該当品と関連ロット群を保留し、調査、行政への報告要否、回収及び購入者向け案内を判断する。保留解除には検査の追加だけでなく工程調査を含む根拠を必要とし、通知先、実施時刻及び未連絡先の追跡を記録する。
8. 資料管理
種菌系譜、培養室・乾燥機の使用記録、分析生データ及び相談票を関連ロット群で検索可能にする。公的情報の参照日と注意文の版を保存する。保存期間と留置試料の扱いを事業者が定め、調査中の資料は通常の廃棄処理から外す。出荷先から原料までの逆追跡と注意更新の到達確認を実施する。
第5条(評価区分)
- 適合:全要件を満たし、菌株管理から異常時の保留、注意通知及び追跡まで実施資料がある。
- 一部適合:重要な検査・注意・保留手順に欠落がなく、検索資料の整理等に限る不足へ是正期限を定めている。
- 不適合:未評価の異常品を出荷、被害相談を放置、関連ロットを追跡不能、又は重要注意を掲載しない。
第6条(運用)
自己適合宣言には培養物の区分と異常時対応の確認日を付す。本協会は申請時に注意文と保留・追跡の実施状況を確認する。公的発表、被害相談又は菌株・設備の変更を受けて臨時見直しを行い、通常時も連絡経路を定期点検する。
附則
2026年9月8日から施行する。注意更新では旧表示品への伝達状況も確認対象に含める。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の効果効能・安全性を保証するものではありません。
