高麗人参品質・表示基準
JHFC-S-066 制定:2026年9月9日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月9日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
高麗人参の名称には、根の乾燥品から蒸した紅参、さらに濃縮エキスまでが含まれる。外観の赤さ、原料の栽培年数又はエキスの濃さだけでは、実際の加工内容を読み取れない。とりわけ根を蒸してから抽出する工程と、抽出液を加熱する工程は区別して記録する必要がある。本基準は、高麗人参の加工呼称を製造履歴に結び付け、製品に残る成分と配合量の説明を整えるために設ける。
第1条(目的)
高麗人参について、原植物から蒸製・抽出・包装に至る証拠を用いて加工区分と表示内容を検証する。JHFC-A-001の五基準を上位の公開要件として適用し、根原料の履歴と処理後の組成に関する審査事項を定める。
第2条(適用範囲)
対象
Panax ginsengに由来する根の乾燥物、蒸製物、粉末及び抽出物を配合した経口食品を扱う。植物名の対応は[植物分類機関の解説](https://powo.science.kew.org/taxon/urn%3Alsid%3Aipni.org%3Anames%3A300467-2/general-information)等で確認する。葉、果実、西洋人参、田七人参は本書の根原料量から外す。採用する部位と加工方法について食品としての取扱いを確認したものに限る。
第3条(用語の定義)
- 1. 紅参区分:根を蒸した後に乾燥する履歴を備えた原料の区分。
- 2. 白参区分:紅参の蒸製を行わず乾燥した根の区分で、剥皮の有無を付記するもの。
- 3. 蒸製単位:同じ設備条件で根を処理し、開始から乾燥終了までを追える製造単位。
- 4. ジンセノシド内訳:分析対象として選んだ個々のジンセノシドとその測定結果の対応。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:原根の照合と純度
受入れ時に根の形状、断面及び仕入学名を照合し、粉末になる前の識別資料を確保する。異種の根、土砂、根以外の組織について事業者が規格を定め根拠を提示する。栽培年数を表示する場合は植付けから収穫までの台帳で確認し、根の大きさを年数の証明に代用しない。
2. 品質要求:紅参・白参の製造管理
剥皮、蒸し、乾燥及び再加熱を別の操作として記録する。蒸製単位ごとの温度経過と設備内の処理差を確認し、色見本だけで紅参区分を決めない。複数回の処理を表示するなら各回の投入・取出し記録を備える。処理条件と乾燥終点の規格は製造検証に基づき事業者が設定する。
3. 品質要求:抽出収支と成分構成
原根の水分、抽出溶媒、抽出液の回収及び乾燥助剤の投入を収支表に残す。ジンセノシド内訳は採用した加工区分ごとに規定し、未処理根の成績を濃縮物の判定に流用しない。総量を示す場合は合算する成分名と計算法を開示する。組成、残留溶媒及び担体の管理規格を根拠資料とともに提示する。
4. 検査:処理後試料の第三者確認
独立した検査機関へ蒸製後又は抽出後の代表試料を提出し、選定成分の分離、標準物質及び試料からの回収を確かめる。栽培と乾燥の履歴から残留農薬、元素、微生物の項目・頻度を決める。検査機関名、方法、根・エキス・最終製品の別、ロット及び照会先を公開し、成績書と提出試料の対応を点検する。
5. 表示要求:加工呼称と実配合量
一日摂取目安量当たりの高麗人参粉末又はエキス量を、紅参・白参等の加工説明とともに示す。ジンセノシド量を掲げるときは実原料量と欄を分ける。乾燥助剤込みの重量にはその旨を付し、原根相当量を併記する場合は水分基準を明記する。配合票と表示原稿を照合し、赤色の包装や写真も加工区分と整合させる。
6. 品質要求:保存・注意表示
乾燥根の虫害、エキス粉末の吸湿及び液状品の沈殿を、それぞれの実包装で観察する。成分内訳の推移を併せて調べ、事業者が期限と保存規格を決める。液状品の開封後の扱いと粉末の密閉方法を別に表示し、保存試験で認めた状態と異常として扱う状態の見本を備える。
7. 摂取上の注意
治療中・投薬中の者には医師への相談を案内する。相談時に紅参区分、併用原材料及び一日分の配合量を伝えられる資料を用意する。根を煎出する製品とそのまま用いる濃縮品は調製案内を分け、計量器具と説明図を実物で確かめる。異常を感じた際の中止と相談先を記載する。
8. 資料管理
原根写真に蒸製単位を付し、抽出槽と包装番号への対応を保存する。事業者が保存期間を設定し、再蒸製品が元の未処理在庫へ戻らないことを台帳で確認する。加工呼称を変更した際は旧包装の使用範囲を記録し、製品番号から当時の処理経過と成分内訳を取り出せるよう整理する。
第5条(評価区分)
- 適合:全要求を満たし、原根と加工呼称、処理後分析及び配合量が一貫する。
- 一部適合:原料と蒸製実態は確認済みで、公開資料の索引等の不足に補完期限を設けている。
- 不適合:着色や抽出後加熱のみを根の蒸製と説明する、原根を同定できない、又は成分内訳に裏付けがない。
第6条(運用)
自己適合宣言には根の加工呼称を記す。本協会は蒸製単位を起点に成績書と表示を確認する。蒸し設備、処理回数又は乾燥助剤が変わった際に再審査し、定期見直しでは写真を含む加工説明の整合を点検する。
附則
2026年9月9日から施行する。高麗人参の照会には蒸製単位を特定できる資料を添える。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の品質・安全性を保証するものではありません。
