鹿茸品質・表示基準
JHFC-S-068 制定:2026年9月9日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月9日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
鹿茸は、鹿肉、硬化した角又は角由来の加工品と名称が似ていても、同じ原材料として扱えない。[厚生労働省の食薬区分資料](https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tc7344&dataType=1)では、ロクジョウとして雄の幼角が専ら医薬品として使用される原材料に掲げられている。本基準は、この区分を品質検査や名称の変更で置き換えることを防ぎ、健康食品の調達段階で受入排除を判断できる資料を整えるために制定する。
第1条(目的)
鹿茸を称する原料の動物種、組織及び制度上の取扱いを照合し、健康食品への誤投入と誤表示を管理する。JHFC-A-001の五基準を公開の上位要件とする。本書の適合は受入排除を含む管理体制に対する評価であり、鹿茸製品の食品使用を認める宣言には用いない。
第2条(適用範囲)
対象
鹿茸又は鹿の幼角として提案された原料、その粉末・抽出物の調達審査、隔離、検査資料及び表示管理を対象とする。雄の幼角に該当するものは健康食品向けに受け入れない。医薬品の製造・品質認証は本書の範囲外とし、硬化角、骨、肉等の別組織へ対象を読み替えない。制度区分が不明な加工物は行政照会の結論が出るまで保留する。
第3条(用語の定義)
- 1. 幼角識別資料:採取動物、採取時期、組織外観及び角の状態を結び付ける資料。
- 2. 用途判定票:原材料の実体と食薬区分を照合し、食品調達の可否を記す審査票。
- 3. 保留在庫:用途又は由来が確定せず、食品原料の払出しを禁止した在庫。
- 4. 受入排除記録:不採用の理由、数量及び返却等の処置を残す記録。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:用途を先行する受入判定
供給名、由来動物、使用組織、加工内容を用途判定票に記し、参照した公的資料の版と確認日を残す。幼角に当たる原料を食品部門へ登録しない。海外の食品取扱い、輸入通関又は一般検査の合格を国内の用途確認に代用しない。粉末化や抽出だけで区分が変わると判断せず、未確定事項は照会記録にする。
2. 品質要求:同一性・純度の記録
幼角識別資料では動物種、採取部位及び硬化状態を写真と供給記録で確認する。粉末では必要に応じて組織観察等を加え、種の分析のみで幼角と骨を区別したとしない。混入組織、水分、灰分等の調査規格は事業者が根拠付きで設定する。ただし規格を満たしたことを食品受入れの理由にはしない。
3. 品質要求:隔離と製造管理
保留在庫は食品用在庫と区別し、秤量・混合・充填への払出しをシステム又は台帳で停止する。調査のため開封する場合は専用の取扱場所と残量管理を設ける。誤投入が判明した際は投入先の製造単位を特定して出荷を止め、関係する工程と器具の処置を記録する。返却伝票と排除数量の一致を確認する。
4. 検査:第三者調査の範囲
独立した検査機関に調査目的を明示し、動物種・組織に関する識別や、飼育履歴に応じた残留物、元素、微生物等を選定する。方法の適用限界と検体採取場所を依頼書で確認する。機関名、方法、原料か加工物か、ロット及び照会先を公開する。調査項目と頻度は事業者が定め、成績書から用途承認を導かない。
5. 表示要求:原料名称と数量の扱い
取引資料には幼角、粉末又は抽出物の実体を示し、鹿由来という総称だけで組織情報を省かない。抽出物の調査では実重量、担体量及び幼角換算量を分けて記録する。健康食品として一日摂取目安量や含量を掲げた原稿がある場合は使用を停止する。その数量は投入調査用に保存し、本書適合品という商品表示を行わない。
6. 品質要求:保留中の保存表示
保留容器には用途未確定又は食品向け受入不可の状態、原料番号及び取扱部門を表示する。湿潤組織と乾燥抽出物では保管方法を分け、事業者が調査試料の保存規格と保管期間を定める。温度履歴、包装破損及び検査後残量を点検し、品質変化が識別結果に及ぼす影響を記録する。
7. 摂取上の注意
食品としての摂取方法は設定しない。健康食品の案内に鹿茸の摂取記載が見つかった場合は掲載を止め、購入者からの照会に使用中止と相談窓口を案内する。既に摂取して異常がある場合は医療機関への相談を促す。医師への相談文を添えるだけで食品販売上の用途問題を解消したと扱わない。
8. 資料管理
用途判定票、行政照会、幼角識別資料及び受入排除記録を一件の調達案件として保管する。事業者が期間を定め、販売原稿の停止履歴と誤投入調査も紐付ける。同じ供給原料が別名で再提案された場合に照合できる識別項目を設け、名称変更後の再登録を点検する。
第5条(評価区分)
- 適合:全要求が実施され、鹿茸の食品受入排除と用途誤認の防止を検証できる。
- 一部適合:排除措置と出荷停止が確実で、案件索引等の補足作業に期限がある。
- 不適合:幼角を食品工程に払い出す、用途未確認品を出荷する、又は本書を食品使用の承認として掲示する。
第6条(運用)
自己適合宣言の対象を調達管理体制と明示する。本協会は原料の採否と排除後の数量を確認する。食薬区分資料の更新、新たな加工物の提案及び誤登録発見を見直しの契機とし、定期点検でも停止措置の継続を確かめる。
附則
本基準は2026年9月9日に施行する。鹿茸の照会では用途判定票を先に確認する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の品質・安全性を保証するものではありません。
