ラクトフェリン品質・表示基準
JHFC-S-075 制定:2026年9月9日
一般社団法人日本認定健康食品協会 制定基準(原文)
一般社団法人日本認定健康食品協会
制定:2026年9月9日 / 施行:同日
前文(制定の趣旨)
ラクトフェリンを配合する食品では、乳由来原料の投入量、製品中のラクトフェリン量及びたんぱく質総量が同じものとして説明されることがある。加熱や乾燥を経た試料では、採用する分析法によって捉える状態にも違いが生じる。本基準は分離精製の履歴と測定対象を明らかにし、配合後の検査値がどの量を示すかを追試できるようにする。
第1条(目的)
ラクトフェリンの由来、分離状態及び製品中含量を、製造と分析の記録から確認する。JHFC-A-001の五基準を情報公開の基礎とし、他の乳たんぱく質との識別、加工後の測定及び乳由来表示の要件を定める。
第2条(適用範囲)
対象
食品として使用条件を確認した牛乳又はその乳画分から分離したラクトフェリン原料と経口配合食品を対象とする。由来の整理には[牛乳由来原料の公的記述](https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/ALL/?uri=CELEX%3A32012D0727)を参照できるが、海外規格を本書の数値要件として採用しない。他動物、ヒト由来物、組換え生産物及び意図的な加水分解物は対象外とし、別に審査する。
第3条(用語の定義)
- 1. 回収乳画分:分離工程へ投入した乳又は乳由来中間原料の範囲。
- 2. 未分解体量:分析条件で定義した、分解断片と区別されるラクトフェリンの量。
- 3. 免疫反応量:指定した抗体と反応する部分を測定した値で、測定対象の範囲を伴うもの。
- 4. 鉄結合状態:ラクトフェリンに結合した鉄の状態を、採用方法で確認する品質属性。
第4条(要求事項)
1. 品質要求:乳由来とたんぱく質の同一性
回収乳画分の由来と受入番号を分離バッチへ結び付ける。分離分析又はたんぱく質の識別法を用い、比較標準の証明書と他の乳たんぱく質の混在を確認する。総窒素量だけをラクトフェリン量に換算しない。事業者が同一性、他たんぱく質、水分及び灰分の規格を定め、採用理由を示す。
2. 品質要求:分離精製と製造管理
膜分離、吸着、溶出、脱塩及び乾燥の採用工程を示し、回収側と排出側を区別する。吸着材の使用・洗浄履歴と、溶出条件が変わった際の組成を確認する。加熱履歴は原料乳、精製後及び製品配合後に分けて残す。工程条件を事業者が根拠付きで設定し、精製原料の検査だけで配合後の状態を判定しない。
3. 品質要求:純度・分解・鉄の区分
未分解体、分解断片及び凝集物をどの方法で区別するか規格書に記す。純度を表示する場合は乾燥重量又はたんぱく質量等の分母を明らかにする。鉄結合状態を品質説明に用いる場合は遊離鉄や別添加鉄との区別を確認し、総鉄量をそのまま結合鉄としない。事業者が各属性の規格を設定し、原料ロット間の比較で根拠を備える。
4. 検査:製品中含量の第三者確認
第三者機関に、乳成分と併用原材料を含む最終処方の情報を伝える。免疫法では交差反応と加熱試料の回収、分離法では共存たんぱく質の重なりを検証する。方法が捉える未分解体量又は免疫反応量を明記する。微生物等の検査項目・頻度を由来と工程から定め、機関名、方法、試料段階、ロット及び照会先を公開する。
5. 表示要求:配合量・実含量・乳由来
一日摂取目安量当たりのラクトフェリン量を示し、原料製剤の投入重量と区別する。担体又は他の乳たんぱく質を含む原料では、製剤量と成分量を配合票及び定量成績で照合する。測定対象の状態と純度の分母を参照資料に明示する。乳由来の原材料説明を備え、乳糖に関する表示だけで乳たんぱく質の情報を省略しない。
6. 品質要求:加工後の安定性と保存表示
粉末は吸湿、溶解性及び凝集、液状品は沈殿と容器内分布を保存試験で確認する。採用した定量法での推移も追い、事業者が包装、保存条件及び期限を決める。熱い液体へ混ぜる等の調製案内は、その条件での測定対象の状態を検証してから採用する。開封後の密封と調製後の扱いを試験記録に対応させる。
7. 摂取上の注意
乳たんぱく質にアレルギーのある者に向けた注意を原材料資料と照合して表示する。精製したことや乳糖が少ないことを理由に、この確認を省かない。治療中・投薬中の者は医師に相談する旨を案内する。相談用資料に由来乳画分と一日分の成分量を記し、摂取後に異常を感じた場合の中止を示す。
8. 資料管理
回収乳画分から精製バッチ、乾燥、配合及び包装番号までを追跡する。分析標準、抗体の識別情報又は分離条件、回収試験及び加熱履歴を保存する。事業者が保管期間を設定し、測定法を変更した際は同じ保存試料で比較して旧表示値との対応を記録する。原料追加と実測量の変更を別々に管理する。
第5条(評価区分)
- 適合:由来、分離精製、測定対象及び乳由来表示を含む全要件を検証できる。
- 一部適合:同定・含量・注意表示は確実で、方法資料の索引等に限る不足に補完期限がある。
- 不適合:総たんぱく質を成分量とする、測定対象が不明、又は精製を理由に乳由来情報を隠す。
第6条(運用)
自己適合宣言には由来と定量対象の状態を付す。本協会は配合票と加工後の分析を確認する。精製法、加熱条件、定量法又は乳画分の変更時に再評価し、定期見直しでも表示値の測定根拠を点検する。
附則
施行日は2026年9月9日とする。含量照会の際は採用した測定対象を明記して回答する。
※本基準は情報公開・品質管理のあり方に関する評価基準であり、個別製品の品質・安全性を保証するものではありません。
